モーションキャプチャー事例紹介【ロケット落錘計測】MAC3D System

お客様 活用事例【JAXA ロケット落錘計測】

宇宙開発分野におけるロケット開発の現場で、ナックイメージテクノロジーの光学式モーションキャプチャー 「MAC3D System」 が活躍しています。

宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙飛翔工学研究系の 竹内伸介 准教授に、ロケット本体および各部品の挙動を高精度に分析するため、光学式モーションキャプチャー MAC3D System をご使用いただきました。

MAC3D Systemを活用した【竹内伸介 准教授】の研究成果は、日本機械学会において論文として掲載されています。

※日本機械学会論文集 Vol.91, No.943

【摩擦ダンパーを用いた再使用型ロケット着陸脚緩衝機構の提案と全機落下試験による検証】

【摩擦ダンパーを用いた再使用型ロケット着陸脚の研究】の概要

竹内伸介 准教授の研究では、再使用型ロケットが地面に着陸する際の衝撃を安全に和らげる新しい仕組みとして、「摩擦ダンパー」を用いた着陸脚が提案されています。

摩擦ダンパーは、押し縮められた際に生じる摩擦の力によって、着陸時のエネルギーを熱として吸収する構造が非常にシンプルな装置です。竹内伸介 准教授の研究ではまず、この摩擦ダンパー方式が従来用いられてきたばね式や油圧式の緩衝装置と比べて、構造が簡単で保守がしやすく、信頼性の高い方式であることを示しています。

次に、模型を落下させる実験により摩擦ダンパーの基礎的な特性を評価しました。その結果を基に、実際の再使用型ロケットに適用可能な着陸脚の設計を行っています。

さらに、ロケット機体全体を用いた落下試験を実施し、提案した着陸脚が実際に安全に衝撃を吸収できることを確認しました。

その過程で、機体の「しなり(弾性)」を考慮することで、着陸時の挙動予測の精度が大きく向上することも明らかにしています。

竹内伸介 准教授のご研究の意義は、主に以下の三点にまとめられます。

これらの成果により、着陸時の安全性向上や機体の長寿命化が期待され、将来的にはロケットの再使用回数の増加や打ち上げコストの低減にもつながる重要な知見が得られました。

MAC3D System(モーションキャプチャー)の計測データ

ロケット落錘計測では、MAC3D System を用いて機体全体および各部品の三次元位置データを取得しました。

MAC3D System のハイエンドカメラを使用することで、全長 5 m を超えるロケット機体を 1 秒間に 300 データ(300 Hz)という条件で計測しています。

また、MAC3D Systemの特長である広い画角により、少ないカメラ台数で効率的に計測を行うことが可能です。

カメラで囲んだCortexの画面

ロケット機体内部のデータ・仮想点

MAC3D Systemを使うことでロケット機体に貼り付けたマーカーの三次元位置より、「仮想点」を設定して機体内部の位置情報を得ることができます。

今回の実験では、ロケット胴体部分の仮想点や着陸脚部分の仮想点を算出しています。

Cortexの仮想点表示

ロケット機体の姿勢データ・オイラー角

MAC3D Systemでは、計測した3次元位置データおよび仮想点から剛体の姿勢を算出できます。姿勢データは「セグメント」を定義することで、3軸の角度として求められます。

今回の実験では、実測点と仮想点を用いてロケット機体及び、着陸脚のセグメントを定義しました。これにより、ロケット本体と着陸脚の傾き角度を3軸方向で取得することが可能となりました。

Cortexのセグメント表示

最新のMAC3D System【AIハイブリッドキャプチャー】

今回ご使用いただいたMAC3D Systemは、近年さらに進化を遂げています。

従来のモーションキャプチャーではマーカーの三次元位置データのみを計測していましたが、MAC3D SystemのAIハイブリッドキャプチャーでは「人の動き」そのものを直接計測することが可能になりました。

MAC3D System【AIハイブリッドキャプチャー】の詳細は、以下のページで紹介しています。ぜひこの機会にご覧ください。

→次世代AIハイブリッドキャプチャー【光学式 x AIモーションキャプチャー】